opuesto / Tate’s Official Blog

I have the right to know the truth and i must protect the children's future.

狂気

メモしておきます。


▼『人間は「天使になろうとして豚になりかねない」…』
福井新聞(2013年1月31日午前6時26分)

人間は「天使になろうとして豚になりかねない」存在である―。
フランス文学者、渡辺一夫さんの1949年のエッセー
「狂気について」に登場する言葉である。

人間の心の中には「うようよした様々(さまざま)なもの」がうごめいていて、
時によって磁気にかかった鉄粉のように一定の方向に走り出す。
それが狂気の正体だという。

しかし狂気で成し遂げられたことは、必ず荒廃と犠牲を伴う。
それゆえ困難でも天使に憧れ、
豚にならぬよう気を付け、
常に狂気を監視する必要があると警告する。

柔道の女子代表選手が監督やコーチから暴力やパワハラを受けていたことが発覚した。
選手たちの告発が発端というから、問題を穏便に済まそうとした
全日本柔道連盟への不信感も強かったのだろう。

スポーツ界では6年前、大相撲で新弟子リンチ死事件が発生。
最近も大阪市の高校でバスケットボール部主将が体罰を受けた後に自殺するなど、
痛ましい事件が起きている。

監督やコーチにとって、力でねじ伏せるやり方は最も安易で狂気じみた指導法である。
というのも合理的な理論も的確な説明も全く必要ないからだ。

世界トップレベルのスポーツでも、
いまだに暴力指導が横行している実態に唖然(あぜん)とするばかり。
「天使になろうとして豚になる」ことがないよう、
スポーツ指導者は渡辺さんの警告をいま一度胸に刻むべきである。