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震災後の農業(再登場)

5月17日に更新し様々な反響があった『震災後の農業』の中で、一点訂正がありました。
すみませんです。それを加え、あえて再登場致しますので、是非チェックして下さい。
他、「はてな」に引っ越す前のブログは、こちらでチェック出来ます。

『震災後の農業』
連休前に告知させて頂きました、新潟県で農業をしつつ、イベントオーガ
ナイザー兼DJの仲間へのメールでのインタビュー形式です。
インタビュー内容は『震災後の農業』です。まずは、そんな彼、ヒロキくん
のPROFILEからご紹介致します。

ヒロキハヤト
1986年生まれ。pal名義で新潟にてDJ、イベントオーガナイザー誠意持って
邁進中。琴線震え喜ぶ音楽を巡る旅団=TRIPを主宰しred race riot!にも参加。
数多くのゲストと共演OPUESTOとの交流も深める。また音楽活動と同時に
農業に従事し、お米を中心に野菜の中では取り分け枝豆やトマトやほうれん草
に力を入れる。今年も美味しい作物を皆さんにお届けできたらいいなと天候、
雑草等と日々格闘中。

そんなヒロキくんです。red race riot!のjacobの紹介で知り合った若手有望株
です。人としての常識、気配り、ケアなど素晴らしいものがあります。jacob
も最高に良い人なので、ヒロキくんも間違いないです!

弘前の青木さん同様、一般的にみなさんが思うような、チャライDJは、私の
周りには1人も居ません。みんな音楽が大好きでハードコアな奴らです!

そんな仲間、友人は最高の宝です。では、本題です。じっくり読んで下さい。

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Q1. 現状、新潟の農業は?

A. 今回の東日本大震災とそれに伴う福島原発の事故等による新潟県の被害は、
長野県北部で起きた地震(東日本大震災がきっかけとみられる)により十日町
地方で大きな揺れが続き農作業に遅れをもたらしましたが全体で見ますと震
災や原発による被害は殆どなかったと言ってよいと思います。二度の震災を
経験したという点で行政の対応も早かったように思われます。

しかし現在一部で懸念されているのが、福島県群馬県に源流を持ち河口が
新潟県にある阿賀野川へ隣接する山に積もった雪に飛散した放射性物質が付
着し雪解けとともに川へ流れ込み生活用水や農業用水へと使用されるのでは
ないかという点です。まだ県や自治体が調査をする動きまで至ってないよう
ですので非常に気になり心配しているところです。


Q2. 出荷制限などに関しての政府の対応をどう感じますか?

A. 妥当だと思います。これは決して他の制限されてない地域の出荷物を推奨
しているわけではなく安全ではないもの、不明確なものを出荷してはいけな
いと強く思ってます。


Q3. 今日もニュースになっていた(これは補足で後で送ります)
出荷停止の中でも出荷してしまう、してしまった農家への気持ちは?
それに対して、周囲の反応は?
※補足
『制限ホウレンソウ出荷、別の5農家も』読売新聞 4月29日(金)8時38分配信
千葉県は28日、新たに同県香取市の農家5戸が出荷制限に従わず、ホウレ
ンソウ計3095束を同県匝瑳(そうさ)市の市場に出荷していたことが判明
したと発表した。既に判明した10戸のうち1戸も、さらに399束を出荷
しており、計1万1379束が同県や東京都の青果店などに販売されていた。

A. この気持ちは痛いほど分かります。普段でさえも食べるのになんの問題も
ないのに規格が合わない(大きすぎる、小さすぎる、少しの折れ、曲がり等…)
という理由でだけでB級品扱いになり出荷出来なかったり大幅に値引きされた
りをきっとどの農家さんも日々体感してると思いますので。

また、放射能が付着したことによって例えば出荷物の色やニオイが変化した
り急激に傷みだしたり見てとれる感じることが出来るならばまだ良いのです
が目に見えず変化の無いものですので出荷したくなる気持ちは分かります。
制限のかかった野菜等を専門で作られていて一年の収入の大きなウェイトを
占めているのであれば尚の事出荷したかったに違いありません。

がしかし、出荷制限を分かっておきながらの出荷、また出荷自粛という自己
判断でいけるならばよいだろという盾でもって出荷をされたのであればそれ
は非常に問題があると思います。どういう経緯にせよ安全ではない(と思われ
る)物を出荷してはいけないと考えてます。

Q4. 福島同様、東京へ送る為の電力を作る原発を抱える新潟の農家として、
今後の対策は?また、国、県に対しての要望は?

A. 本音を言えば僕は長い時間をかけてでも柏崎刈羽原子力発電所廃炉の方
向へ向かっていただきたいです。これは浜岡原発と同様に多くの断層の上に
存在するいつどうなるか分からない脆い原発であり以前から度々人為的、機
械的トラブルを起こしていて(発表されているだけでも相当な数)運転停止や
再開を繰り返す不安定な原発であるという部分もあるからです。

しかし先の統一地方選挙 柏崎市議選、刈羽村村議選において原発反対派の躍
進がみられたようですが例年通り原発推進派が色濃く残る結果となったよう
です。原発との共存を選ばれた方々、原発に携わる方々、原発から得を受け
る方々の民意の表れだと思います。

同じく原発を抱える県の農家としてこの福島原発の事故以降不安に思いなが
ら仕事をしています。異常なほど繊細で凶暴な施設が遠くはないところに存
在し物音立てずいつ身に降りかかってくるのか分からない状況だったんだな
と。

この大震災を体験し学ばせていただいたことを基に農家として国や県への要
望は、前述のように出荷停止や作物を育てられなくなった際の保証の明確化、
汚染された土地の買い上げと元の土壌に戻す為の向こう何十年何百年の対応、
自分の農地を失ってもそれでも農業を続けたい方へ安全な地域の休耕田を貸
す、譲るなど。また一農家として話が脱線してしまいますが、原発との共存
を続けるのならば明らかに甘くみていた原発設計の大幅な見直しを、耐用年
数の過ぎた原子炉は延長せず即刻廃炉の方向へ、それに転換する化石燃料
使わない自然エネルギーへの道筋を早期に確立(新潟県内での風力発電や地熱
発電の歩みはまだまだ進んでいると感じません)、これは日本を含め世界の原
発保有国に問いたいことですが損得勘定を無視した本当に原発が必要か否か
の部分の答えを、先ず持って正しい本当の情報の提示をお願いしたいです。
(2011/05/17更新)
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<訂正>
阿賀野川流域の放射性物質に触れた文章で、"まだ県や自治体が調査に至って
ないようなので…"と書きましたが今日新潟県のHPを見たところ河川や水道関係
の調査も地震後発生8日後からしっかりとデータをとっていたようです。

最近は放射性ヨウ素放射性セシウム共に検出されてないようで安心しましたが
地震が起きて直近の測定データは身体に害がない程度のようですがやはり少し
高めに検出されてます。