opuesto / Tate’s Official Blog

I have the right to know the truth and i must protect the children's future.

2015 MANGA Best Selection

毎年恒例になりつつある『MANGA Best Selection』を
Blogにも更新させて頂きます。

その理由は‥
スマホや携帯からだとOPUESTOのHPが読みにくいからです。
HPのリニューアルが遅れてしまい、申し訳ございません。

今もリニューアルに向けて作業を進めておりますので、
もう少々お待ちください。

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※以下HPからの転載です。

今回で3回目となるこの企画ですが、3人の変化と同時に
3人の個性も合わせて楽しんで頂ければと思います。

ちなみに過去のものはこちらからチェック出来ますので
合わせて宜しくお願い致します。

・2013年---> http://www.opuesto.org/2013best.html
・2014年---> http://www.opuesto.org/2014best.html

from Katsunori Tatenuma (OPUESTO)




・INOMATA Selection


1位『ファイブスター物語永野護

30年近い連載期間で単行本が13冊しかでないってどうなのよ、と思う。思うが致し方がない。おつむの中の膨大な設定資料を緻密に積み上げてきたこれまでの歴史をなかったことにして、しれっと続きが始まるなんて、暴動ものだし、実際読むのをやめた人もいるんだろうけども、まあ、作者は神様ですから、気まぐれなお戯れに下々の民を惑わすこともあるだろう。死ぬまでつきあう覚悟はできている。歴史、ファンタジー、ロボット、ファッション、戦争。40年近く生きてそれなりにマンガを読んできたが、「何を一番読みなおしているか?」と問われれば、一択でFSS。ある意味教科書として血肉になっている作品なのである。


2位『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』浅野いにお

浅野いにおは「素晴らしい世界」が好きで、美しい瞬間を切り取るのがうまい作家だなぁと思ってきた。そして、その頃から、時代を横目で見ながら消化して、ちょっとひねた感じで表現してきた。略して「デデデデ」は、相変わらずのひね具合、まっすぐに行動しないキャラクターたち、そして、戦時下の日本という、日常反転SF...ではなかった。テロの驚異と紛争。戦争と女子高生たちの青い春を交差させる。2015年夏に出たビックコミッックオリジナルの戦後70周年増刊号に収録された2012年の短編「きのこたけこ」も傑作。世相を反映してどのような着地をむかえるのか。当然先は読めない。


3位『透明なゆりかご』沖田 ×華

ラジオで評論家の荻上チキさんが「ニトロちゃん」は傑作ですよ、といっていたので読んでみた。アスペルガー症候群学習障害、注意欠陥・多動性障害をもつ女のこが主人公の半自伝マンガだった。傑作だった。「透明なゆりかご」は、彼女がマンガ家になる前にアルバイトとして産婦人科で働いていた時のことを元にした物語。もちろん医療行為はできずに、簡単な補助や雑用しかできない
のだが、もうひとつ別の仕事がある。それは、中絶した胎児を集めてケースにいれること。生と死そのものである出産と中絶に、日常的に携わる産婦人科の物語は、お世辞にもうまいとはいえない絵で描写される。だが、それゆえにストレートに包み隠さずにキャラクターたちの心情が伝わってくる。技術的にもマンガの読ませ方がうまく、WEBやメディアをはじめとし、マスコミや読者からも圧倒的に評価されていて納得。みんなの気持ちが見えないが故に、苦労して知ろうとし、伝えようとしたひとが手に入れた表現はしっかり読み手に届く。中学3年の学級文庫に忍ばせたい作品一位。


※以下順不同

『あれよ星屑』山田参助

昨年のベスト締め切り後に読んで、是非入れたかった戦後ブロマンスの傑作。「焼け野原となった第二次大戦直後の東京で雑炊屋を営む復員兵の川島と再会した戦友の黒田。二人はかつて戦争末期の泥沼化した中国戦線で出会い・・・」というあらすじ。キャプションには「我々も死ぬために生きている」とあるように、川島には常に死の影がつきまとう。反面、いまでいうならクマさん系ガチムチおやじで陽気な黒田は、エロ話をしたり、酒を飲んで喧嘩をしたりしつつ、川島を慕う。当時の資料を読み込んで書かれたれたセリフや空気感、町中や風俗の描写が実に素晴らしく、3巻後半のヤクザのエロ話が、実にイイ。本作と「零戦少年」、完結した「あとかたの街」、「ヨーソロー」など、日本の戦争をしっかりと取材し、消化して、それぞれが個性的に表現した良質な作品を多く読めた一年でもあった。


『波よ聞いてくれ』沙村広明

素敵なバリゾウゴンの応酬とテンポいいコマ運び。全く人は死なないし、手足も飛ばない。当然血も出ない。だがエキサイティング。絶好調の伊集院光のような疾走するトーキングブルース。キレッキレでセンスあふれるセリフ。なんだよ、「シュワルナゼ」を土佐弁だと思ってた友達の話って。かと思えば、「ベアゲルター」みたいな和製タランティーノみたいな別の意味でたまらん作品も連載してるし、脂乗りすぎで中高年は胃もたれ注意!でも絶品!みたいな。


ヒナまつり』大武政夫

秋津とヒナまつりが極個人的には現行ギャグマンガの最高峰だと思うんだよな。どっちもエンターブレインコミックビームだし。頭の中が幼稚園児並の倫理感で生きる、町一つを滅ぼせる超能力を持つ少女と家事全般のスキルが異様に高いインテリヤクザが同居。バーテンからスナイパーまでこなす同級生の女子や、おっちょこちょいで子分をコンクリ詰めにする若頭など。一生懸命に生きているだけなのに、哀愁と同時にしみじみとこみ上げる笑い。ちょっと似たような感触の笑いに橋口良輔監督の「恋人たち」があった。もっとも、「恋人たち」は、もっと深刻で切実なんだけども。蛇足。秋津は二巻で終わって悲しいんだけど、手を出しやすいので、こちらもあわせてオススメ。


『ゴールデンカムイ』野田サトル

このマンガがすごい!」でも「このマンガを読め!」でも堂々2位と選ばれた、目下本屋で常に平台のいいところを占拠している気鋭のタイトル。日露戦争の生き残りで"不死身"とあだ名された男とアイヌの少女が、北海道にあるというアイヌ埋蔵金を求めて、脱走した死刑囚の足取りを追うストーリー。ライバルとして登場するのは、大日本帝国陸軍第7師団や元新撰組で函館戦争で死んだはずの土方歳三。実に少年マンガ的ロマンにあふれたプロットに加えて、ヒグマとの死闘やサバイバル術、アイヌグルメ、そしてもっとも重要なギャグセンスもキレまくりとくれば、おおかたの予想通り大絶賛。文句なしにいろいろな人にオススメできる、いいマンガ。個人的には東京に唯一あるという新宿のアイヌ料理専門店に猛烈に行きたくなっている今日この頃。


『プリンセスメゾン』池辺葵

小さな食堂を舞台とした「サウダージ」、個人営業の洋裁店の話「繕い裁つ人」、高級住宅地のふもと谷底に流れる臭く汚れた川沿いに住む老婆とその周辺を描いた「どぶがわ」。メインストリームにどっかりと居座るいわゆる「ふつうの人々」とはちょっと違ったキャラクターたち。そんな彼らの生き生きとした日々は、読者にも気づきを与え、息をつかせてくれる。「プリンセスメゾン」は、いつかマンションを買おうと日々モデルルーム巡りにいそしむ薄給の居酒屋社員の沼越さん、その周りの人々を不動産を通して丁寧に描く。仕事帰りの一人居酒屋で食べる天丼。孤独に見える老作家が、自宅マンションのベランダで、コーヒーで一服しながら隣家のだんらんの音に耳をかたむける。そのような、けっして派手ではなく、大きな成長が見込めるわけでもなく、いまある条件で、ささやかに楽しむ人がたくさんいる世界。やさしい世界。どこにもない理想郷ではなく、どこかにあると思わせる巧みさ。寝る前に読むとよく寝れる作品でもある。


健康で文化的な最低限度の生活柏木ハルコ

「プリンセスメゾン」がやさしい世界であるならば、こちらは徹底的に現実的で無慈悲である。バター犬ともてない大学生を二股にかける女子大生の話「いぬ」、民族学的な奇習と性を青春ストーリーで駆け抜けながらとんでもないラストへ着地した「花園メリーゴーランド」など数々の傑作を残してきた作者が、真っ向から貧困と生活保護を取り扱ったことにとても驚いた。去年のベストにうっかり載せ忘れてしまっていたので、今回しっかりと紹介。新人公務員の目線ではじまる物語に登場する受給者たち。それぞれに事情があり、ともすれば、パチンコ不正受給問題なんて矮小化されたイメージにとわられがちな目線から、ふつうの人がちょっとしたことで転落し、そこからはいあがることがどれほどしんどいか、難しいのかが描かれる。2巻では、ある家庭が不正受給をしていることが発覚。すなわち、「就労しながら相談員に申告せず、黙って収入を得る」こと。当然徴収することになるのだが・・・。数年前の某芸能人の不正受給問題以降、そういったことに対して、絶対悪として無慈悲に攻撃する人たちがいるようだけれども、叩いている人たちは、はたして実際の受給者をどれだけ知っているのだろうかと、いつも思う。


淡島百景志村貴子

「舞台に立つことを夢みて歌劇学校に通う少女たちの心を、鮮やかに切り取った青春群像シリーズ」とは帯の販促コメント。あこがれや嫉妬や友情や恋愛のような様々な感情が、淡く重なりあう連作短編。特にお気に入りは3話と4話。思春期のあこがれで歌劇学校に入学し、その後疎遠になっていたかつての友人の葬式で、彼女の夫から声をかけられる。亡き妻が持っていた手紙の差出人を探しているという。その手紙を読んでみると、歌劇学校での友情と後悔、そして孤独について書かれていた・・・。時系列が前後していたり、登場人物が交差し説明的でないがゆえにわかりづらい部分があるものの、それがすべて魅力なのが志村貴子という作家。なんて嫌な奴と思った人物の心の機微を丁寧に描写する。また、そのうっとりするような画と裏腹の、ここぞという時にでてくる路地裏の反吐のようなセリフ。ここには美しさも汚さも平等に存在し、善悪ではなく、ただの感情がある。それこそ物語るべき存在だというように。ただし押しつけがましくなく。


〜総評〜

個人的に一年を振り返ってみる。まずは年始からおなじみ何回目かの女性から音信不通プレイでスタート、春先はレコード制作案件の仕事がはじまり、金曜日には仕事帰りに国会前に向かった夏、そして数年前と同様に関係者不祥事によるゴタゴタでバタバタした秋。そんな私の一年とはいっさい関係なく、創作物は次々と生み出されていく。ストレートに世相を反映するもの、暗喩で表現するもの、全く関係なく楽しんでいるように見えるもの。面白いものもつまらないものも自由に表現できる自由はまだある。マンガも映画も音楽も、日々楽しめることに感謝ながら、今年もこちらのスペースで書かせていただけた。ベスト10、これまでとかぶったタイトルははずしているが、「先生の白い嘘」、「逃げるは恥だが役に立つ」、「恋は光」は変わらず刺激的な内容で素晴らしい作品。

別ジャンルでは、マッドマックスが圧倒的衝撃度で狂い咲きフューリーロードを片腕で疾走するテンションで駆け抜けた。ちょっと落ち着いてからブルーレイを購入し(プレイヤーは持っていない)、PCで視聴。やはりテンションマックスになる。それほどか、と言われればそれほどだ、と鼻息荒く返答する準備はいつでもできている。どんとこい。

そして、どうしても、もの申しておく。
他人の意見を聞かずに進むものの先にまっているのは破滅だって相場はきまっている。そんなスカーフェイスのアルパチーノのようなカタルシスは、創作の世界や個人でやるぶんにはいっこうにかまわないが、そいつが政治家だったりすると、とんでもなく人が死ぬことになる。あの人が最終的にどうなるか、後世の歴史家がどのように評価するかに興味がないではないが、まず今が一番大事。この人だったら変えてくれそう、そして失敗したら手のひらを返し、昔はよかったから元に戻そう、それで本当にいいのか。相変わらず人任せなのではないか、と考えてみる必要があり、その結果も見、それから行動する責任もあると思うのだが。フォースとともにあらんことを。
(12月25日クリスマスにて、まだEP7は未見)


2015年12月
INOMATA

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mackie (jacob) Selection


10位『しあわせアフロ田中のりつけ雅春

アフロ田中シリーズが嬉しくも復活です!高校、中退、上京、さすらいの4シリーズも含めて、こんなに哲学がつまったギャグ漫画は他にはないですよ。ダラダラと高校生活を過ごしていた田中が、今は立派に将来を模索する青年に成長しています。今回の"しあわせ"というシリーズでは、働きすぎの皆さんに対して、まるでリカルド・セムラーの経営術のような哲学がテーマになっているかのような、そんな内容です。全てのシリーズを含めて、どこから読んでも、どこも読まなくても、しっかり楽しめるギャグ漫画ですが、
何故か、何かを教えてもらえる素敵な漫画です。


9位 『スーバースーパーブルーハーツ』山田玲司

「いつでも死ねるお守り」すごいパンチラインです。死ねるという事をお守りにする事しかできなくなった弱い心を、救ってくれるストーリー。山田玲司さんらしい素晴らしいストーリーですが、この重たい内容に、また作者自身がぶっ壊れるじゃないかと心配ですが、そこを僕たちが読んで応援したいって思える傑作です!


8位 『ニンフ』今日マチ子

今日マチ子という、素敵な漫画家さんを紹介するのに、最適な一冊。生きていくことに辛すぎる状況の重なった少女が体を張ってついた嘘。妖精のように誰からも愛されながらも、その状況は何故か虚しく書かれています。舞台の背景はぼんやりと関東大震災になっていますが、現代に置き換えて読んでみても面白いかもしれません。


7位 『あれよ星屑』山田参助

戦中や戦後という時代の、書く事を謹まれるような事柄を堂々と物語にする設定は素晴らしく、それはキャラクター作りや言葉の使い方にも表れています。そして、その物語の中から、僕たちが考えなければいけない"戦争"というものがどういうものなのかが、わかるような漫画です。


6位 『クウデタア』大塚英志・西川聖蘭

アンラッキーヤングメンのシリーズとして書き下ろした作品。大塚英志氏のいうところの、サブカルチャーの手口というやつですね。いやらしい言い回しですが、まさにその通りなので、なんとも言えない。戦後すぐの三大事件「小松川事件」「皇太子ご成婚パレード投石事件」「社会党委員長刺殺事件」という現実の事柄を分解して再構築。出版側が出来たら触れたくない様な内容で、それを出版に踏み切ったイーストプレスも凄い。あるいは、それこそがサブカルチャーの手口なのでしょうか?とにかく、戦後という時代に起きた三大事件と、それに共感した三島と石原という作家について、サブカルチャーの手口にそって再構築された物語を読んでゾクゾクしてください。


5位『鬼死ね』岡田索雲

きっかけは、節分の日に鬼に関する本はないかなぁって探していてみつけた、半分シャレみたいな出会いですが、読んでみたらどハマりしました。人間と見た目はまったく変らない鬼という存在があるお話。その中でも赤鬼は、理不尽に人間から毛嫌いされて、差別をうける、という内容なのですが、実際に人間が人間に対する差別なんて、本当に理不尽で、たいした理由もないよなぁって思います。そして、そんな理不尽な差別をぶっ壊してやろうっていう1人の赤鬼の少年が主人公のお話です。ところが、これこら面白くなっていくだろうってところで、何故かの打切り終了!悔しくて仕方がないので、続編を期待して、ここに載せさせていただきます!


4位『ハピネス』押見修造

惡の華で、あれだけ大騒ぎした僕たちが、絶対に無視できない漫画です。押見修造の今年からの新連載「ハピネス」話の進め方がゆっくりで、イライラしていますが、それはただ単に期待の裏返しでしかない!やっぱりこの人の漫画は面白い!!幸せでも、不幸せでもない、普通にちょっとだけ嫌がらせをうけている、現在となっては、どこにでもありふれている様になってしまった少年が主人公。そんな少年が!幸か不幸か、変化していく物語です。追記 押見さんの書く女の子は最高に可愛くて、特に五所さんはその中で最上級です!!


3位『ダンジョン飯』九井諒子

沢山の物語のジャンルの中で、まだこういう斬新な切り口が残っていたか!とうならされた作品!ファンタジーの中に日常のエッセンスを付け加えると、こんなにも面白くなるのは驚きです。「龍の可愛い七つの子」などの他の作品も、この、ファンタジー?日常的な人間臭さで描かれてますが、それが、短編ではなく、ストーリーになった事で面白さが倍増したように感じます。勇者だって腹は減ります!


2位『波よ聞いてくれ』沙村広明

読んでみて、ここまで共感しかねぇって漫画です(笑)出てくる言葉一語一句、納得しますね!話の運び方のテンポも、笑いのバランスも素晴らしくて、読んでいてつまるところがないです。内容は、25歳女性の、スットコドッコイカリィーtoレディオなストーリーっていう、訳のわからない紹介しかできませんが、読んでみてほしいです!絶対に共感するし、笑います!!


1位『よつばと!あずまきよひこ

一番好きな漫画の新刊!2年以上も待たされた!そしてやっぱり最高に好きなので!どんなに日々に嫌な事があっても、よつばさえ読めば元気になれる!そして、そんな漫画は、他には無い!ということで、今年の1位はよてばと!にします!元気になれて、笑える漫画、それが一番ですし、そもそも漫画っていうのはそれが原点で基本だと思っていますよ。なんだか、世の中不安になるような事ばかりがニュースで流れていたりするもんで、嫌な気分になりがちですが、そんな時、よつばと!を読んでみて、一度リフレッシュすると、次の一歩の踏み出し方が変わる気がします。


〜総評〜

よつばと!の項目に書いたように、漫画は元気になれて面白いことが一番だとおもいます。その面白さっていうのは色々あって、例えば知的欲求だったり、自己陶酔だったり、ナンセンスだったり、ギャグだったりと、人それぞれで面白いと感じる事が千差万別だと思いますが、それらを全てごった煮にして一つに纏めて伝えられるのが漫画の良いところで、本当に誰が読んでも楽しめるものだという事が素晴らしいなと思って、このように漫画を選ばせていただいております。2015年、何かと物騒なニュースが多かったりしましたが、思い詰める事よりも、息抜きの方が大切なんじゃないかと思います。僕ごときの経験ですが、考え込んでいる時よりも、ぼーっと息抜きしている時に、ふと答えが出てくるものです。そんな息の抜き方も、人それぞれで、音楽や映画や小説やアニメ、色々とありますが、その中でもし、漫画を選びたいと思った時は、是非ともここを参考にしてみてください。絶対に皆さんに合った作品が、この中のどれかにあると思います。


2015年12月
mackie

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・左近-SAKON- Selection

(順位はなく、50音順で掲載しました)


『おやこっこ』武田一義

父と子の、切なくも温かい物語。父は父で抱えたものがあり、子は子なりに思いがある。父が倒れた事をきっかけに、希薄になってしまったその関係性に向き合わざるを得なくなり、主人公は次第に父に大切に育てられた過去を思い出す事になる。そして自分も父となり、子へと思いを繋いでいく。命は巡り巡り、繋がって行くのだな...、とじんわりと涙が出た。こんな可愛らしいデフォルメされた絵柄なのに、シリアスな空気を保っていて、でもその絵柄のおかげで重いテーマも悲惨さを感じさせずに感動させる。本当にマンガって表現は面白いなぁ。


『グッドナイト』南Q太

作品はほぼ全て持っているぐらい南Q太ファンです。結構悲惨な状況にあっても、へへへ〜と強く生きていく女性を描き続けていたけど、この作品は今までよりもさらに重く、辛い。あぁ...南Q太は新しいステージに行ったのだ...凄いなぁ。これはもうホラーなんだと思う。いつか主人公に「グッドナイト」は訪れるのだろうか?


『恋は雨上がりのように』眉月じゅん

女子高生がバイト先のしがないおっさん店長に恋をする恋愛マンガ。もう、終始キュンキュンしっぱなし。そんな主人公、橘あきらに片想いをする男子同級生、あきらが所属していた陸上部の友達や後輩、想われているおっさん店長、それに気づいたバイト仲間ノ色んな人の心の機微を丁寧に描いている。店長にも何やら抱えた過去があるらしく...今後の話の展開が本当に楽しみ。ちなみに主人公のあきらちゃん。クール、美人、長身、黒髪ロング...僕の思い描く「あきら」と言う名前の女性像ど真ん中ストライクで、そんな娘に片想いされる店長が羨ましいったらありゃしない!どこかにそんな「あきら」ちゃん、いないでしょうか?(笑)


『子供はわかってあげない』田島列島

切り口、語り口は違うけど、『おやこっこ』同様、主人公と父親との関係を描いたストーリーギャグマンガ。そこに思春期の甘酸っぱい恋愛模様も絡んで来て、なんともほっこりする。随所に散りばめられた楽屋オチやパロディーを多用したギャグが秀逸。絵を見ると若い人が描いたようなのに、ギャグの入れ方のセンスを見るとそんなに若くないのかな〜とも思ったりする。僕の敬愛するいしかわじゅん先生のテイストに近い感じがするのだけど...作者もお好きなのだろうか?
 

スラップスティック青野春秋

「...俺は普通でいいんだよ普通で!なんで俺らはこんなに「不利」なんだ?」と秋介は嘆く。子供は生まれてくる環境を選べない。辛い。ただただ辛い。重いテーマで読むのが本当に苦しくて切ないのに、タイトルが「スラップスティック」とは...。この不幸な現状を「あの時は悲惨だったな〜」といつか笑えるようになる日が、この兄弟に訪れると信じたい。
 

『その男、甘党につき』えすとえむ

ショコラ好きの謎の紳士をめぐるある愛の物語。どこかエロティックで、甘美でちょっとほろ苦い。まさにショコラのような作品。絵が美しく、コマ割りもとても流麗で、ストーリーのまとめ方も素晴らしい。なんて巧い人なんだ!と感心しっぱなしでした。

『たそがれメモランダム』田村茜

新聞記者志望の女子高生エリちゃんの目を通して描かれる、ささやかな日常の小さなドラマ。「たそがれ」=「誰そ彼(たそかれ)」...「あなたは誰ですか?」と言う好奇心で人々を見つめるまなざしは、時に優しく、時に切ない。きっとエリちゃんは立派な新聞記者になると思うな。連載が終わってしまったのが本当に残念です...。

『はぐれアイドル地獄変高遠るい

友人に薦められて読んでハマった作品。可愛い巨乳の女の子が主人公の正統派エロマンガ。でも、エロだけでなく、ストーリーもギャグも格闘技ネタも面白く、マンガとして楽しめる。10選の中に必ず1本はエロマンガを入れようと思っているのですが(笑)、今年は文句なくこの作品。ちなみに尾玉なみえ氏のほぼ同名タイトルの『アイドル地獄変』もナンセンスギャグマンガで面白いです。こちらにはエロは全くありませんが。


『花井沢町公民館便り』ヤマシタトモコ

タイトルと表紙の雰囲気で、「花井沢町で起こる日常を描いたハートフルな物語なんだろうな」と思って読んだら思いっきり予想をひっくり返された...。おそらく東日本大震災原発をモチーフに描かれている世界は、SFのふりをした現実なのかも知れない...と考えさせられる。

春風のスネグラチカ沙村広明

ロシアを舞台とした歴史もの。時代背景や人物相関図が複雑で、話全体を理解するのが難しいけれど、これってフィクション?もしかしたら本当の話かも...と思わせてしまうくらいの説得力でグイグイと引っ張られて最後まで一気に読んでしまった。重い話だけど最後は救いがあって、美しく壮大な歴史映画を観たような充実感があった。同じ作者の『波よ聞いてくれ』を挙げようかとも思ったが、そちらはINOMATA氏がセレクトするかな〜、と。コメディー作品なので読みやすくて、そちらもオススメです。


〜総評〜

昨年は私的な理由でこの企画に参加出来なかった事が本当に悔しくて...。今年こそは、昨年の分までと意気込んで、意識的にマンガを読んだ一年でした。極力2015年に出版された作品を選びましたが、そうでないものも含まれる事はご了承ください。

改めてセレクトを見ると、全体的に重くて暗い内容のものが多いなぁ、と...。でも安心してください、元気ですよ!とにかく

明るい内容のマンガであれ、暗い内容のマンガであれ、マンガは僕の生活の一服の清涼剤なんだな、と改めて思いました。と、2015年は充実したマンガライフを送れましたが、本業の音楽の方は...LiveやDJなどを披露する機会を全く作れず、残念な一年でした。曲は作ってはいるんですが、どうも最後まで完成せず、未完のままの作品がいくつか...。

2016年はLive、DJなどもっと精力的に音楽活動をしていきたいと思っております。soundcloudなんかも勉強して、完成した曲を披露出来たらなぁ〜、なんて考えておりますよ。


※おまけ

2015年、魅力的なマンガとの出会い以外にも素敵な出会いがありました。立川志の輔師匠の落語です。ちょっとしたきっかけで志の輔師匠の落語を聴く事になり、「ためしてガッテン」のおじさんでしょ〜?なんて思っていたのですが(失礼)...完全に打ちのめされました...。凄いの一言。見事の一言。聴き惚れる、魅了されるとはこう言う事かと。全ての噺を聴けてはいませんが、師匠の演目から僕の好きな5選を。


バールのようなもの

志の輔師匠の創作落語。言葉の意味とズレの妙。もはや哲学。


『しじみ売り』

古典だけど志の輔師匠は噺の内容とサゲ(オチ)を独自にアレンジ。泣いて泣いて、最後は笑える人情噺。他の落語家さんのバージョンも聴いてみたけど、志の輔師匠のサゲが一番だなぁ、と思います。


みどりの窓口

創作落語。うわぁ〜こう人いるよね〜、と言うあるあるネタから、随所に散りばめられたフリからサゲへの流れに大爆笑。


『はんどたおる』

創作落語。ある夫婦の思考のズレからくる会話の可笑しみ。損得ってなんだろう?と考えさせられます。


『帯久』

あまりこの噺を演る落語家さんはいないと言う古典。理由は「面白くないから」...と師匠はマクラで冗談を言っていましたが、いやいやとんでもない。ゲラゲラと笑うシーンはないけれど、勧善懲悪の人情噺の最後のサゲに「う〜ん...凄い」と、何度聴いても唸ってしまいます。このサゲも志の輔師匠のオリジナル。やっぱり凄いわ。


2015年12月
左近-SAKON-(OPUESTO)

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かなりのヴォリュームですが、最後まで読んで下さった方、有難うございます。

そして忙しい中、今回も協力してくれた、INOMATAくん、mackie、左近、本当に有難う〜!

また今年も宜しくお願い致します。