これはナイスな記事です!
福井新聞から。
▼『豊臣秀吉は食料の重要性をよく知る武将…』
福井新聞 2013年6月12日午前11時02分
豊臣秀吉は食料の重要性をよく知る武将だった。戦術面でも兵糧攻めを得意とした。
中で最も有名なのが因幡の鳥取城を攻め落とした「鳥取の渇泣(かつな)かし」だろう
▽天正9(1581)年、秀吉は息のかかった商人を集め、周囲の米を高値で買い上げた。
策略とは知らぬ吉川経家(きっかわつねいえ)は軍備を整えるために城内の米を売り払った
▽それを見届けた秀吉は、2万人の兵で城を囲み食料搬入を阻止。
3カ月後、吉川軍は餓死者が相次ぎ降伏した。金庫には米を売ったお金が大量に残っていたという
▽2012年度「農業白書」が閣議決定された。キーワードは「食料自給力」の維持向上だという。
世界的な食料不足など緊急時にも自前で食料を確保できるよう、農業再生の必要性が強調されている
▽ただ課題は多い。食料自給率は今も40%に届かず、先進国では最低水準。耕作放棄地は
約40万ヘクタールで滋賀県の面積とほぼ同じ。農業従事者も65歳以上が6割と高齢化している
▽加えて環太平洋連携協定(TPP)の交渉も控えている。
農業白書は日本の農業の危うい状況を分析している。しかし具体的な将来像は見えてこない
▽食料は生命線と熟知していた秀吉でさえも、一度失敗を犯している。
朝鮮出兵では最初優勢だったが、やがて食料不足に陥り撤退した。
農業を成長戦略の一つに掲げる安倍晋三首相。その覚悟の程が問われている。