メモしておきます。
〜『比翼の鳥』というらしい
その鳥は片方の翼しか持たず
オスとメス 番い(つがい)で
寄添わなければ
空を飛べない不完全な生き物
でも なぜだろう
私はそんな命の在り方を
美しいと思ってしまったのだ
美しいと感じてしまったのだ
〜『比翼の鳥』というらしい
昔 本で読んだその鳥は
オスとメスで寄添わなければ
空さえ飛べない 哀れな生き物
きっとその片割れを見つけるまでは
木々の葉に身を隠し 息を殺しては
いつの日にか大空に羽ばたく
夢を見るのだろう
じゃあ
最後まで飛べなかった鳥は
何処へ行くんだ
その答えを僕は知っている
その答えは‥‥‥
”じゃあ僕と一緒だ”
そう彼女は言った
パートナーがいないことを
からかわれたショックよりも
まだ心の何処かでそんなものに
期待していた自分がいたことだ
惨めで恥ずかしかった
知っている
飛べない鳥に行くところなんかない
〜第1話 『独りとヒトリ』 より