先日INOMATA氏から教えてもらった情報です。
自動車の除染に関して『詩の素粒子の中で』というブログにアップされていました。
私個人は車を所有していないので、あれですが、この手の話は気になっていたので
是非多くの人に知って欲しいなと思い、『詩の素粒子の中で』を転載させて頂きます!
車を所有している方々。車関係のお仕事の方々。
是非じっくり読んで下さい!
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▼『自動車除染マニュアル』
クルマの除染って、どれくらいの人が気にかけてんだろ。
先月購入した雑誌に興味深い特集が組まれていて、
わたしはちょっと釘づけになった。
(「オートメカニック」2012年7月号(内外出版社)
第2特集:自動車除染マニュアル(緊急誌上再現)
自動車の除染(厳密に言えば「移染」なのですが)について、
写真付きで詳しく紹介しています。(全22ページ)
こんな特集記事を組んだ雑誌は、他に目にしたことがないように思う。
わたしは編集部の人に、敬意を表したい気持ちになった・・・。
そもそも、「自動車除染マニュアル」が内閣府から昨年の12月28日に
出されていたなんて、どれくらいの人が知っているのだろ??
知っていた方、手をあげてくださーい!!
(って、わたしからは見えませんが。)
↓↓↓
◆自動車除染マニュアル(第1版) 原子力災害現地対策本部
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20120521_02.pdf
オートメカニック7月号では、上記のマニュアルを元に実際に作業を進め、
その工程を公開しています。
ハイ。もちろん、作業者は厳密にこのような恰好で。
↓
(「オートメカニック」2012年7月号(内外出版社)より)
準備するものは
ビニールシート、ウエス(1車につき大人Tシャツ40枚以上)、バスタオル、ゴミ袋、
掃除機、ブラシ類、中性洗剤、スポンジ、ガムテープ、マスキングテープ、ゴーグル、
マスク、ゴム手袋、長靴、レインコート、クロスレンチ、ジャッキ、ペンチ、定規、
メガネレンチ、内装はずし、などなど・・・。
これらの装備・道具を使って
①エンジンルームとその周辺
②タイヤハウス廻り
③窓枠ラバー部分
④車内
⑤ボディ外板
を、丁寧に拭いていきます。
(各項目ごとに使用したウエスの量も紹介されているので、
イメージもつきやすいかと思います。)
実際に作業を終わった頃には、ぐったりされているようです・・・。
↓
(「オートメカニック」2012年7月号(内外出版社)より)
それに、たくさんのウエスの山。
(もちろん、このウエス、気軽に捨てられません。)
以下、この記事の文章より〜
除染マニュアルに沿った作業取材は朝から夕方まで続いた。
上下のカッパに、ゴーグルにマスク、手袋、長靴と
フル装備の作業者にとってはサウナ以上の過酷さで、
頻繁に休憩をとらなければならない状況。
肉体的な疲労は普通のメンテの比ではない。
しかも作業は一定方向へ拭き取りを繰り返す単純なもので、
精神的にも辛い作業だったようだ。
そして終わってみれば一時保管(ウエスやブラシ類)の山。
達成感という表現とはまた異なるが、
つまり除染作業というのは、これほどシビアで、
ここまでしなければ安心できない、ということなのだろう。
これから作業に取り組もうとする人は、
十分な休憩と水分補給を忘れないでほしい。
〜オートメカニック2012年7月号(内外出版社)より引用〜
わたしは車が一体どれくらい放射線から管理されているのか、
かなり疑問に思っている。
「放射能ハンター」として知られるウクライナのジャーナリスト、エフゲン氏は、
昨年、福島を訪れた際、立ち入り禁止区域の出入口で、
一台の車両も放射能汚染検査されないことに驚いていた。
チェルノブイリでは、今でも検査を行っているというのに・・・。
(わたしも春に映画『プリピャチ』で、チェルノブイリの検問そばで
長々と車を除染しているシーンを見た。
そういえば、日本の検問でそんなシーン見たことない。
野放し状態なんだな・・・。)
◆ドイツZDF「放射能ハンター」 (2012年4月に放送されたものです。)
それにこれは、福島だけの問題ではない。
自分が住んでいる関東だけでなく、
瓦礫の広域処理によって全国的にも関わってくる問題だ。
以下の記事にもある通り、特に「エアフィルター」の交換を怠っていると、
車自体がミニ・ホットスポット化してしまう!
↓↓↓
◆東京の車もエアフィルターの交換を:ガンダーセン氏
カレイドスコープ(2011/11/10)
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-978.html
でも、わたしがこの「実践・自動車除染マニュアル」を読んで思ったことは、
人体も等しく、このような状態になってしまっているということだった。
髪や皮膚に付着した放射性物質は、それなりに落とすことはできるけれど、
内部に侵入したものは・・・。
わたし達は車のように、体を分解してウエスで拭き拭きなんてできないのだ。
除染作業で、がっくし肩を落としたとしても、
まだ、車の方が救われていると言える。
車の除染を考えていらっしゃる方は、とても参考になる雑誌だと思います。
今後も、なかなかこのような特集は組まれないと思いますし、
ここまで体張って実践するなんて、ほんとびっくり企画!ですから。
車のどの部分に、放射性物質が溜まりやすいか。
それを知るだけでも、日頃の対策が随分変わってくるのではないかと 思います。
それは、内部被ばくの「現実」を知る作業と、
とてもよく似ているようにも思えてきます。
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いかがでしょうか?
是非、真剣に考えてみて下さい。
◆オートメカニック 2012年7月号(内外出版社)
特集:エンジン全バラ/自動車除染マニュアル(緊急誌上再現)
---> http://www.naigai-p.co.jp/automechanic/magazine/201207.php