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仙台リポート3

INOMATA氏より、リポートが届きましたので、
写真と共に紹介させて頂きます。

明日11月11日で、震災から8ヶ月が経過します。

それを踏まえて、じっくり読んで下さい。

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11月より

4月、7月と仙台市多賀城市塩釜市歩きました。震災直後の生々しい海岸近辺や
復旧しつつあるように見えた塩釜近辺の景観。

そこからどのようになっているのか見たかったので、再訪しました。

さて今回も、仙台市七北田川河口付近に。

川を境に北と南では様相が違います。

仙台港があり、最近出荷を再開したキリンビール工場など工業地帯や
大型ショッピングモールがある北のエリア。
田園風景の中に点在する集落など北側とは全く違った印象の南側エリア。


(2011年11月02日 仙台市七北田川河口付近にて〜photo by INOMATA)
今回は北の川沿いを歩いてみました。

元住宅といった建物跡が点在しながらも、ガレキはほぼ片づけられていて、
不思議な光景が広がります。

人がほぼいないのも、不思議な印象を後押しします。

一カ所、アパートの二階の一部屋に洗濯ものが干してあり、
そこだけが生活のにおいを感じました。


(2011年11月02日 仙台市七北田川河口付近にて〜photo by INOMATA)

津波の際、一時多数の方が避難していた中野小学校はこの地域にあります。

一階の教室には、小学生らしい給食袋や荷物袋がそのまま放置されていました。
校庭は雑草が生え、ただの空き地にしか見えません。


(2011年11月02日 仙台市七北田川河口付近にて〜photo by INOMATA)

ここから先は、海まで大きな障害物がいっさいありません。家の基礎が残るのみで、
遺跡のような印象でした。


(2011年11月02日 仙台市七北田川河口付近にて〜photo by INOMATA)

河口についてみると、干潟は跡形もなく、砂浜が残るのみです。
その砂浜にはコンテナが横倒しになっていてます。

波も穏やかで静かな海の光景でした。



(2011年11月03日 石巻市にて〜photo by INOMATA)


(2011年11月03日 石巻市にて〜photo by INOMATA)

翌日は石巻から女川、雄勝を通って北上までの三陸地域へ。

石巻は、市の北側と南側で空気がまったく違いました。
南側は工場や魚関連の施設があり、地元の経済を支えています。
走行している車はガレキを運ぶダンプや物資輸送のトラックなど。
ガレキは一時保管場所にまとめられていて、道路脇などには見あたりません。
道路工事や、破壊された倉庫の撤去工事は見受けられたものの、
新規の建設工事はみられません。

復興への資金不足がそのまま、こういった場所に現れている印象でした。



(2011年11月03日 女川町にて〜photo by INOMATA)


(2011年11月03日 女川町にて〜photo by INOMATA)

女川、雄勝エリアは、もっとひどいです。人の住めるスペースは皆無、
廃墟も撤去まではほど遠いたたずまいです。

たしか町の復興計画が発表されていたはずですが、現在の復興ペースをみると、
資金に不安を感じます。

素人目ですが。



(2011年11月03日 石巻市 北上総合支所にて〜photo by INOMATA)


(2011年11月03日 女川町 北上川河口にて〜photo by INOMATA)

北上川河口には、石巻市役所の支所がありましたが、完璧に破壊しつくされていて、
内戦中の国のビルのような、コンクリートの固まりでした。

ここも現在解体中のようで、ショベルが二台待機していました。

ここは北上川のそばなのですが、とても波が高い印象です。おそらくですが、
津波で防波堤が破壊された為、外洋の高い波がそのままここまで来ている感じです。

いずれ再び防波堤をたてる必要はありますが、優先度は後回しになのでしょうね。

仕方がないですが。


(2011年11月03日 石巻市 北上総合支所にて〜photo by INOMATA)


(2011年11月03日 七ヶ浜町 菖蒲田にて〜photo by INOMATA)


(2011年11月03日 七ヶ浜町 菖蒲田にて〜by INOMATA)

最後に仙台に近い、海水浴場があった七ヶ浜に行きました。

4月にも行ったのですが、あのときは道路もぎりぎり通れるぐらいの復旧レベルでした。

今回は、道路はほぼ復旧、ガレキもほぼありませんが、海水浴場近辺の地形破壊が目立ちます。

説明が難しいので、写真をみてもらうのが一番いいと思います。

とても美しい景色があり、人が亡くなった場所でなければ、本当にすばらしい画です。


実際にいろいろみて思ったこと。お金が必要です。

漁業における県知事主導の復興計画など、単純には片づけられない問題があります。
災害発生直後の単純な欲求は満たされたのでしょうが、地域ごとに違う要求や
被災レベルに違いからくる、地元住民の意識の違いが問題になっているのはご存じの通りです。

地元有力紙である、河北新報。紙面のスペースの多くをとっている復興に関するあれこれ。

東京と報道の配分が違うのは当然なのですが、スタンス含めて疑問を感じます。


悪いくじを引いてしまったら、そのフォローをするのは悪いくじを引いていない人です。
いつか、自分も悪いくじを引いたときに、どのようにすればいいかを考えながら、
注意深く見続けていきます。



(2011年11月02日 仙台市 七北田川河口にて〜photo by INOMATA)


過去のリポートは下記の通りです。
・『仙台リポート2011年04月20日更新
・『仙台リポート22011年07月16日更新