opuesto / Tate’s Official Blog

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流れと対策

昨日、嫌なニュースが流れました。

※今回はぼかさず真面目に書かせていただきます。


イスラム国に日本人2人が拘束され身代金を要求する動画が…。
(動画が合成じゃないかと議論されていますが、2人が拘束されている事実は変わらないと思います。)

中東を訪問していたあの人も流石に驚いたと思います。

自分が発した"2億ドル" という言葉がトリガーになるとは…。
逆に言えばそのチャンスをイスラム国が狙っていたとも考えられます。


論点がずれたり、話が混乱している人も多いので、
ざっくりまとめます。


今回の拘束事件とフランスのテロは無関係ではないという点です。

まず、フランスで起きてしまったテロ。

・1月7日に新聞社襲撃事件。アルカイダ系テロリストによる犯行。

・1月8日にユダヤ食品スーパー襲撃事件。イスラム国系テロリストによる犯行。


イスラム国というのが、そもそもアルカイダから分離した組織で、
ポイントは現在それぞれの組織が衝突している点です。

どちらも「テロリストとして俺たちの方が凄い!」と意気込んでいます。

「お前らがそう来たなら、俺たちは…」的は発想です。

意外と…お子ちゃまです。


今回の日本人拘束事件は、新聞社を襲撃したアルカイダ系に対して
喧嘩を売ったと考えられていますが、正解だと思います。

それに巻き込まれた日本人2人と日本政府。

日本の世論も分かれます。

「勝手に拘束された方が悪い」
「素人が何をやっているんだ」

「必ず助けてください」
「人の命はお金に変えられません」

「と言うか借金大国に2億ドル(約236億円)そんなお金あるのか」
などの声が聞こえてきそうです。


対して、あの人の会見。
一部抜粋します。※全文はこちらで。

『まず始めに、ISILにより、邦人の殺害予告に関する動画が配信されました。
このように、人命を盾に取って脅迫することは、許し難いテロ行為であり、
強い憤りを覚えます。2人の日本人に危害を加えないよう、そして、直ちに解放するよう、
強く要求します。政府全体として、人命尊重の観点から、対応に万全を期すよう指示したところです。
今後も、国際社会と連携し、地域の平和と安定のために、一層貢献していきます。
この方針は、揺るぎない方針であり、この方針を変えることはありません。

〜中略〜

卑劣なテロは、いかなる理由でも許されない。断固として非難します。
そして日本は、国際社会と手を携えてまいります。

国際社会への重大な脅威となっている過激主義に対し、イスラム社会は、
テロとの闘いを続けています。』


私が感じた結論としては「身代金を払う気は毛頭無いな…」と。

今までイスラム国に拘束され動画を見せつけられて、
それを拒否したアメリカやイギリス、他国への手前、
日本だけがその要求を飲む事は決して無いでしょう。

それが上っ面の国際社会です。

見栄の張り合いと、言いますか…。


※追加補足 17:16

▼『身代金による解決の是非 米英は拒絶、仏、西などは支払いの可能性』
zakzak 2015.01.21

イスラム国」はこれまで、身代金が支払われたとみられる人質を解放する一方、
テロリストとの交渉を拒絶している米国や英国の人質は、殺害するか拘束を続けている。
欧州や中東には身代金による解決を黙認している国もあるとされ、国際社会の足並みは乱れている。

米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、シリアでは昨年11月までに少なくとも
13カ国、20人以上の民間外国人がイスラム国に拘束されたとみられているが、
身代金要求への対応は異なる。

一方、他国の場合、水面下で身代金を支払ったとみられるケースも少なくない。

米誌フォーリン・ポリシー(電子版)は、イスラム国が昨年初めに解放したフランス人4人、
スペイン人2人に政府側から身代金が支払われた可能性があると伝えた。

読売新聞は21日朝刊で、米紙ニューヨーク・タイムズの昨年7月の報道として、
フランスが08年以降、国際テロ組織アルカーイダなどに5810万ドル(約69億円)を
支払った疑いがある−とした。
……との事です。


過去に日本人が拘束され殺害された事件、覚えていますか?

2004年、時のトップは小泉純一郎です。

〜2003年5月1日、イラク戦争終結宣言が行われた。
その後のイラク国内では、旧政権の残存勢力やイスラム過激派によるテロが多発していた。
2004年4月には、イラク日本人人質事件を含む一般人を人質とするテロも発生していた。
そうした最中の同年10月27日午前2時、「イラクの聖戦アルカイダ組織」を名乗るグループが、
インターネットで日本人青年を人質にしたと犯行声明を出し、日本政府が48時間以内に、
イラクからの自衛隊撤退に応じなければ殺害すると脅迫
してきた。
それに対し日本政府は、青年の解放を求めたが、要求については
テロリストとは交渉しないとの立場から、犯行声明から約5時間後の
同日午前7時に小泉純一郎首相が自衛隊は撤退しない」と拒否した。
その後、青年はグループにナイフによって首を切断され殺害された。〜


状況は違いますが、この事を思い出してしまいました…。

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話は少し変わりますが、
シャルリー・エブド紙の風刺画とそれに対しての動きです。

表紙に書かれている意味を知りたく…調べてみました。


▼『シャルリー・エブド紙Tout est pardonné(All is forgiven)に込められた真意』
BLOGOS Aquila Takeshi Aoki 2015年01月15日 02:22

襲撃事件後のシャルリー・エブド紙の今週号の表紙には「私はシャルリー」と書かれた紙を
もったムハンマドの風刺漫画が描かれ、その上にフランス語でTout est pardonné
(英訳するとAll is forgiven)と書かれています。これを受けて、日本の一部の新聞社は、
表現の自由のもとなら、(ムハンマドの風刺も含めて)「何でも許される」という意味に
取っているようです。しかし、これはAll is forgivenの真意を読み誤ったものだと思います。

英ガーディアンの記事はAll is forgivenの意味を正しく伝えています。
シャルリー・エブド紙の女性コラムニストZineb El Rhazoui氏がこの言葉は
「襲撃犯を人として赦す(ゆるす)ことへの呼びかけ」であると説明しています。

襲撃犯を憎み、ののしり、怒ることでは問題は解決しません。

この闘いは、過激派思想に不幸にも洗脳された若者たちに向けられたものではなく、
近代の価値観を暴力で覆そうとするイスラム過激思想に向けられたものです。
憎しみに対する憎しみは問題をさらに複雑にしていきます。

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ちゃちゃっと検索すると「何でも許される」とヒットしますが、
どうやらそれは間違いのようです。

この風刺画に対して、フランスでは…。

『「イスラム教徒の反発にかかわらず、風刺画は掲載すべきだ」と
答えた人が57%だったのに対し、「風刺画の掲載は控えるべきだ」と
答えた人も42%に上り、賛否が分かれていることが明らかになりました。
フランスでは「表現の自由」が重んじられ、オランド大統領もシャルリ・エブドを
擁護する立場を示していますが、今回の結果を受けて、今後「表現の自由」の在り方を
巡る議論が一層活発になることも予想されます。』

現にロシアや西アフリカなどでイスラム教徒のデモが暴徒化し死者も出てしまっています。


確かに表現の自由は大切です。

あの人の言葉を借りるなら、"強くそう思います"とでも言いましょうか…。

ただ、その表現方法にもマナーはあると思います。

散々、ハーコーなデザインを作ってきた私が言うのもアレですが…。


今回の風刺画は、世界中が注目している中でインパクトを与えたかったと思いますが、
あれは…やり過ぎです。

あれを出せば、世界中のイスラム教徒の反感を買う事は想定出来ていたでしょう。

炎上商法に近いな…と感じてしまいました。


また、テロリストに殺害された人の身内、家族はこれをどう感じているのか?
もし、自分の家族、友人や仲間が殺害されたらどう思うのか?

そんな事も考えてしまいます。


平和ボケしている日本人にとって今までのテロは どこか"対岸の火事"だったと思います。

しかし今回のイスラム国の動きを見て、ぞっとした人も多いと思いますし、
そういった危機感を持って世界情勢を少しでも考えて欲しいです。


テロに屈しない為の過激な風刺画。
テロに屈しない為のトップの決断。


国民の生命を守ると言い続けている日本政府の決断が気になります。


まさか…今回の事も春の総選挙のネタにしようなんて考えていませんよね…
先生方…。