感慨深く、そして素敵な写真展です。
7日までですが、是非チェックしてみて下さい。
▼『無人の福島・避難区域の桜写す 世田谷で写真展』
東京新聞 2013年4月3日 10時09分
人も車もいない静かな町で、咲き誇る。満開の桜は写真の中で、永遠に散らない。
故郷への思いも消えることはない。東日本大震災に伴う原発事故の影響で全町民が避難した
福島県富岡町の桜を昨年撮影した写真の展示会が七日まで、東京都世田谷区松原六のパン店
「uneclef(ユヌクレ)」で開かれている。(小形佳奈)
九枚のパネルとアルバムを展示。いずれも昨年四月に富岡町北部の
「夜(よ)の森」地区で撮影された。この地区は道路沿いを中心に千五百本の桜が植えられ、
震災前は多くの花見客でにぎわった。現在は帰宅困難、居住制限区域になっており、
立ち入りが制限されている。
「もう一度、夜の森の桜が見たい」。
隣接するいわき市で地域活性化に取り組む「MUSUBU」代表宮本英実さん(28)は、
避難中の親戚にこう言われ、撮影を決意する。いわき市出身のカメラマン白井亮さん(33)と
昨年四月二十五日に立ち入り許可を取り、撮影した。
「満開の桜並木のどこを見ても人がおらず、自分だけ取り残された気がした」と宮本さん。
白井さんは「桜を見た人が自然に目に入る高さ、視野で撮ることを意識した」と振り返る。
これまでに富岡町から避難した人向けの仮設住宅があるいわき市、郡山市や、
宇都宮市で展示してきた。写真の中に自宅を探す人や、桜談義で盛り上がる人々が印象的だったという。
宮本さんは「夜の森に暮らした人々の生活を感じ取ってほしい」と話す。
問い合わせはユヌクレ=電話03(6379)2777=へ。