opuesto / Tate’s Official Blog

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映画『ポンヌフの恋人』

今年の1月にリバイバル公開などもありました1991年の名作『ポンヌフの恋人』についてです。

内容の説明ではなく、オープンセットについて少し書かせて頂きます。

この映画は、製作が途中でストップしたりとなかなか波乱だった話は有名ですが。。。


翌年の1992年に筑摩書房から発売された
レオス・カラックス〜映画の二十一世紀に向けて 鈴木布美子著」から紹介致します。

この1冊には、カラックスへのインタビューはもちろんの事、カメラマンへのインタビューや
他製作の裏話も載っており、物作りという視点でとても面白く勉強になった本です。

その中に「何故、オープンセットを作ったのか?」などの経緯も書いてあります。

一節を。

『〜撮影開始以前にプロデューサーたちが解決しなければならない問題は、なにも財政的な事柄
ばかりではなかった。もうひとつ、映画の主な舞台となるポンヌフをどうするかという大問題が残されていた。
ダアン(プロデューサーの1人)はまず、夜間用セットを組む必要性を説明するところから始めなければ
ならなかったという。「カラックスは最初、撮影のためにポンヌフを使う許可が簡単にとれると無邪気に信じていた。
彼は、全編を本物の橋の上で撮るつもりだったのだ。私はとてもじゃないが、それは不可能だと思った。
そのため、映画の三分の二を占める夜間シーンはセットで撮影し、昼間の場面だけに限って実物の橋で
ロケーションを行う事にしたのだ〜』

当時の通貨価値はちょっと分からないのですが、夜間用セットの予算は約800万フランだったそうです。


そこで、南フランスのランサルグにオープンセットを作ったのですが、当初は4〜5ヘクタールの予定だったものが、
昼間用セットではその二倍の面積が必要になったそうです。また、工事開始から間もない時、穴を掘ると水がわき
出すくらい地盤が軟弱だったそうです。

美術監督のミシェル・ヴァンデスティアンが、この巨大なオープンセットが完成するまでの作業を
数多くの写真で記録していました。

その一部を。


(1989年2月のセット。ポンヌフはほぼ完成しているが、セーヌ河岸の建物がほとんど姿を表していない)


(ポンヌフの路面作りのプロセス。パイプの骨組みの上に木の板を敷き詰める)


(防水素材でコートし、その上に鉄骨を敷き、軽量のコンクリートを流し込む)


(コンクリートの表面に石畳のパターンを型押ししていく)


(固まった路面に塗料を吹き付け、本物と同じ質感を出す)


(冬の地中海沿岸特有の強風で破壊されてしまったセット)


(強風対策の為ワイヤーを張り、7トンの重りで固定した)

(地下鉄駅の通路はランサルグの隣村にある消防用施設の中に再現された)


(カラックスの要求でパリには実在しない105メートルの長さの通路が作られた)


(ポンヌフの街灯は本物を型取りし複製された)


そして、このセットは、予算がなく解体する事が出来なかったそうです。

現在でも残っています。

ある方のブログにあったグーグルアースでの写真です。
死ぬ前に行ってみたい場所の1つです。ここで花火でも上げたいですね。


破天荒というか、ぶっ飛んだ、レオス・カラックス

最高です。


そんな彼は、今、、何処で何をやっているのでしょうかね?

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