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原発労働記のまとめ

以前、INOMATA氏が『原発労働記』を読み、まとめてくれたものを紹介致します。
すでに読んでいる人も、まだ読んだ事ない人も、チェックして頂ければと思います。

原発労働記:堀江邦夫(著)』のまとめ

※注意:1978年9月から翌年4月が記録期間になります。実際の文庫における
線量の記述はミリレムで記載されていますが、以下全てシーベルト表 記で記述しました。
100ミリレム = 1,000マイクロシーベルト

関西電力美浜原子力発電所
    
放射線管理教育にて

専門的数字を使っての原子力発電所の説明を実施。以下抜粋。

講師「人間は自然界からも放射線を浴びている。地上、土、体内から年間1mSv。
一方原子力発電所では年間50mSv。さらに5倍の250mSv でも臨床症状はない。」

労働者「どうやって250mSvでも人間に影響がないと調べたのか」

放管「・・・人間を使って調べる訳にもいかないので、動物実験によって得られたデータ」

▽実際の点検作業

○高圧給水加熱器の内部のピンホール検査(針レベルの穴が開いているかどうか)
http://www.kepco.co.jp/pressre/2003/0521-3_3j.html
※管理区域外の為、被曝のリスクは無し

内部では、専用の器具を使って空気を押し出して検査する為、空気中に金属破片が浮遊してしまう。
顔が黒くなるのは無論、布で防護している程度なので、目、喉にも付着する重労働。
黒い痰が何日にも渡って出続ける。

○ピーニング・ツール搬入(燃料棒と燃料棒の隙間を調整する装置)
※以下の業務は管理区域内の為、厳重に管理。入るにはいくつかの立ち入り証が必要。

装備:アラームメーター、ポケット線量計


○使用済み燃料ピット除去工事(いわゆる使用済み燃料プール)/付属品除染、片付け。

パイプを水で濡らしたタオルで拭きとる「除染」作業。タオルは次々に新しいものに替える
(次々とタオルが汚染される為)。
※マスク、ツナギ、防護服、ゴム手袋での作業。コンクリートで密閉された空間の為、サウナ並の体感。

○廃液蒸発装置・点検

下はイメージ
http://www.katsuragi.co.jp/products/03/ffc.html

水抜き作業。タンク下部にあるノズルから内部に溜まった放射能汚染水を排水。その後内部の清掃。

ヘドロをビニール袋にいれ、外部へ取り出す。何重にも防護服やマスクによって覆われているため、
酸素欠乏気味になる。作業終了後は、ガムテープ止めされたマスクを外して深呼吸する。
原発内部にも関わらず、それほどまでにきつい労働。

※他の箇所も同じような重労働。検査用の装置が無かったり、非効率的な方法でした検査が出来ない現場は、
原発の定期検査を考えて作られていないの ではないか、という疑問。

※それぞれの業務では線量を計測している。計画線量が超える業務をすることは無いはずだが、
労働者を業務から外すことはせず、計画線量の上限を上げる。

※構内でケガをすると、関電に謝りに行く下請け作業員。


東京電力福島第一原子力発電所

手配師の紹介で健康診断。血圧検査で異常があっても、多少の数字の改ざんがある。
あまりにも異常が多い場合は、流石に許可がおりない。

放射線管理教育。美浜より詳細な説明。しかし専門的すぎるのか居眠りするもの多数。
原発構内に入るため、ホールボディカウンターを受ける。

最初の値が6,400(通常は700から800)。再検査(着ていた白衣を脱いでパンツのみで計測)
後は800。それまで着ていた衣類、時計、メ ガネを計測し、2,000前後。
合計しても、最初の計測の半分にも満たない。原因は不明。

管理区域から出たあとは、ATLD(放射線測定器)、ハンドフットモニタでの計測。ハンドフットモニタは
労働者と東電用は別となっている。

※ハンドフットモニタ
http://speed.sii.co.jp/pub/segg/hp/prod_detail.jsp?mcatID=327&sbIcatID=481&prodID=1734

▽実際の点検作業

○一号炉のクリンアップ室(圧力容器直下の部屋)にある調整弁の組み込み。当然、高線量。
5人のメンバーで作業。

ボーシン(作業リーダー、親方)が指図して、一人一人部屋で作業。他は待機。中に入った作業員の
アラームが鳴ったら交代。5分ほどの作業しか出来 ない(500uSvに設定。
単純計算で一時間あたり6mSv)。

作業後は、ハンドフットモニターで計測。しかし、機会ごとの誤差があるらしく、
汚染の有り無しが出てしまう。また、管理区域内で使用した工具などを放射能検査する部屋もある。
が、服の下に隠して持ち出したりすることも可能。

○タービン建家内で、逆止弁組み込み作業。
作業中、弁内部に溜まった水を布で染みこませ、バケツに搾り出す。恐らく高濃度汚染水を完全防水
ではない装備で行う。

マスクをつけての作業のはずであるが、呼吸困難な為、ほとんどの労働者は首から下げるのみ。

○その後タービン建家内にて、筆者は転落事故の為、肋骨を骨折し入院。
病院で、安全責任者(下請けの現場監督?東電ではない)より、労災にしないで欲しいとの話を受ける。
もちろん、労災になれば公になるため、東電に迷惑がかかり、下請け会社が切られてしまうとの恐れ。
治療費や休業中の日当の面倒も見るので、労災だけはやめてほしいと懇願。

※滅多なことでは、東電は救急車を呼ばない。マスコミ対策。大抵、会社の車で搬送。

外国人労働者について

GEの労働者として。日本人労働者のアラームメーター上限が500uSvであるのに対し、
彼らは2,000uSvで設定。しかも、一日に7,000uSv(7mSv)は放射線を浴びる。給料は高く、
受けた線量に対して支払われる模様。おおよそ、3,4日で新しい労働者と交代。スラム街などで手配するよう。


▼毎日の被ばく線量や、所々で、倦怠感や鼻血、風邪の記述がとても目立ちます。
また、放射能を避けるために、過酷な環境になってしまっていることや下請け企業の立場の
弱さなども良く見られました。もちろん、原本を読むのが現場の作業を理解するのには、一番良いと思います。
収束するのに長い期間を擁する事例ですので、知人が原発労働者になら ないと、断言はできないのすから。

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