(2011年04月21日 ネットニュースから〜畑村洋太郎)
遂に今日の初会合で始動ですね「事故調査・検証委員会」が。
まず、情報が混乱する前に、この組織のコアとなる「失敗学」の提唱者として
知られる東京大学の畑村洋太郎名誉教授の興味深いコメントがあるので、
是非それを最後まで読んで下さい。5月下旬、INOMATA氏からの情報です。
※産経ニュース上に記事がまだ残っていますが、あえて全文をこちらにも残しておきます。
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<企業文化が生んだ組織災害>
−−想定外を失敗学の視点から捉えるとどうなりますか
畑村 (繰り返すけど)起こると困ることは考えようとしない。(考えないから)それが想定外になる。
−−そうすると、災害対策における重要なことは
畑村 (1)自分の目で見る(2)自分で考える(3)自分で決める(4)自分で行動する。
この4つが重要で、第三者が決めたことに従って失敗すると、「自分は悪くない」と言い訳をする。
−−それを東日本大震災の大津波のケースに当てはめると
畑村 三陸海岸では小学校で津波に対する教育や訓練を日ごろから実施していた。
しかし、あらかじめ町や村が決めた避難所に逃げたのに津波にのみ込まれてしまった
惨事がある一方で、決められた避難所よりもっと高い場所に逃げないと危険だと自分たちで
早く判断して逃げて助かった小学校もあった。
−−自分たちで判断するか、判断しないかが明暗を分けたわけですね
畑村 はい。人間は想定だけでは生きられない。現実を見て判断することが大切だ。
《ウラン燃料が発する崩壊熱を下げるため、原子炉圧力容器や燃料貯蔵プールへの
注水作業は続けなければならない。だが、核分裂生成物がこの水に入り込んで放射能汚染が
拡大する悪循環が起きている》
−−この悪循環を断ち切るには
畑村 すでに悪循環を断ち切るための時間を失してしまった。東京電力にも政府にも時間のあるうちに
考える人がいなかった。放射能汚染が広がる前に配管をつなげて新たな冷却システムを取り付
ければよかったのだが、もう別のことを検討しなければならない。
−−どうして早くそれができなかったのですか
畑村 東電が悪いというわけではないが、日本的企業の体質がそこにあると思う。国の基準を守っている
から問題ないという東電の考え方は、緊急事態では機能しない。他者に下駄(げた)を預けるような
企業文化がそうした考えを生む。今回の原発事故は起こるべくして起きた組織事故、
いやもっと大きいから組織災害といった方がいいだろう。
−−今後、日本は原発とどう付き合っていけばいいのですか
畑村 人類は原発を知り尽くしていない。だからこれからも事故は起きるだろうが、
事故を克服して原発を使っていくべきだ。
(論説委員 木村良一)
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問題は、最後のセクションです。原発を推進するコメントを出しています(苦笑)。
あえてINOMATA氏の文章をそのまま書きます。
『途中まで、まともな事をいってましたが、雲行きが怪しくなり、最後にドカン、です。』
まさに、ドカン、、ですね、畑村さん。こんな人が権限をもって事故調査・検証委員を
進めていく事を忘れないで下さい。嫌な予感がします。